知人のこと その2

そつのない笑顔、いわゆるOL的な服装の趣味(そういうものはフランスでも存在するのである)、対人関係におけるニュートラルな距離感、薄いけれど念入りに施されたメイク、そしてあの鈴の声・・・。


これら秘書職ならではの武器をほぼ完壁に備えたルーシーが、たとえばもっとアクの強いキャリアウーマンだったり気難しいアーチストだったり中性的な学校の先生だったりする姿はまるで想像がつきません。


そう、おそらく秘書という仕事は彼女にとっての天職なのです。


それはそうと、彼女の勤務するE社は、内部からの情報によると俗にいう「ソファの出世」というやつがかなり公然と行われているらしい。

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